昨年、
エンドウから再販された12200系ですが、これまで原型のスナック付き2連とスナックなし4連だけだったのが、更新後車販準備室付き2連と更新後4連、さらにあおぞらⅡの2連、4連がラインナップに追加されました。
ただしキットは更新後の2連、4連のみ少量、モデルプラザエンドウで直販されただけです。
このキットの4連を入手、組み立てしましたので、改良点を中心にご紹介します。
エンドウの12200系は30年位前?に製品化され、改良を重ねながら再生産が続けられてきました。基本的なプレス型は変更されていないので、雨樋や床板を止めるアングルなどはエンドウ伝統のプレスによっています。その中で今回大きな改良点は、
・床下機器が個別のホワイトメタルパーツ化された。
・標識灯が点灯化された。
・動力はEN-22モーター仕様ながら標準の取付方法となった。(以前はパワトラ→EN-22縦置き)
・屋根上のクーラーが前後非対称になった上に、更新型は新しいキセになった。また換気扇口およびダクトの蓋が表現された。
などで、近年のグレードに合わされています。
素組では芸がないので、パンタグラフがPT48系に積み替えられたタイプとして、若干ディティールアップの改造を施しています。
まず正面ですが、更新後の字幕装備の形態で、今回より赤、黄の標識灯と字幕まで点灯式になっています。標識灯はチップLEDを基盤にまとめた状態でパーツになっており、取付金具にビス止めするだけですが、何も考えず取り付けて通電したところ、チップLEDの端子部がロストの標識灯で短絡され、チップLEDがお亡くなりになりました。(;_;)
標識灯か端子部の絶縁処置が必須です。
パンタ周りですが、PT48化は屋根のベースを1×3のアングルで作り、それに碍子を刺すためにΦ1.2の真鍮線を植え、フクシマの碍子を入れてt0.4の帯板で2次金物を作りました。これに1.2mmのタップをたててエンドウのPT48を止めました。近鉄のパンタグラフは旧型と互換性を持たせるため、いずれも取付足が斜めに延長されています(旧型電機にPS22Bを取り付けるのと同じです)が、このエンドウのPT48は唯一その特徴を正確に模型化されています。
クーラーキセは一体型のFRPタイプで、新規パーツとして分売もされました。クーラーキセの間には、これも新規パーツの換気扇口とそのダクト点検蓋が見えます。
床下機器は全面的に新規設計でホワイトメタルの個別パーツをビス止めするタイプに変更されました。惜しむらくは抵抗器など全般的に彫りがやや浅いことです。以前からあるカツミの30000系ビスタ用のプラ一体床下の方が実感的です。
連結面は貫通扉の窓が細長くなって別パーツ化されています。屋根上へ上がるための手スリはこれまでと同様全て省略されていますので、ここは完成品との差別化のため全て追加しています。また雨樋は連結面上にある部分が省略されていますのでこれも追加しました。Mc,M,Tの妻面向かって右側の出っ張りは、厚みが不足していたので、t1.0真鍮板で裏打ちをしました。3相の渡り線の立ち上げもロストで新たに表現されました。これは2410/2800系の製品化で製作されたパーツの流用のようですが、是非分売をお願いしたいところです。
完成品を前提としたキットですので全般的に組みやすく、床下機器を含むパーツ類も殆ど同梱されているのも親切です。このようなキットが年々少なくなってきているのは、商売上難しいのでしょうが残念な限りです。時代の流れとはいえ日本人の気質である「モノを作る喜び」を忘れないようにしたいものです。